私達は、御法主日如上人猊下より、去る2009年7月26日、7万5千名大結集総会に於いて、新たに二つの御命題を賜りました。一つに、2015年、第二祖日興上人御生誕770年までに法華講員を50%増にすること。二つに、2021年、日蓮大聖人御聖誕800年までに法華講員80万人体勢にすることでした。
私達は、この御命題達成に向かって日々精進しているところです。これを達成するためには、折伏と育成に励んでいかなければなりません。
折伏する相手には、素直に聞いて即座に入信する人と、反発して拒否する人がいます。素直に入信する人が順縁です。拒否する人が逆縁です。本日は、「順縁と逆縁について」少々お話をいたします。
世の中には、正法の流布を待っている人が大勢います。現在、世界約50ヶ国に日蓮正宗の御信徒がおり、日々信心に励んでいること自体が、今まで正法を待っていた人々がいたことの何よりもの証拠です。また世界には、飢え、病気・戦争等で苦しんでいる人も大勢います。こうした飢え・病気・戦争の原因を『大集経』には、 我が法の滅せんを見て捨てゝ擁護せずんば、是くの如く種うる所の無量の善根悉く皆 滅失して、其の国当に三つの不祥の事有るべし。一には穀貴、二には兵革、三には疫 病なり (大正蔵13巻173)
とあります。日蓮大聖人は、それを克服するために『立正安国論』に
汝早く信仰の寸心を改めて速やかに実乗の一善に帰せよ。然れば則ち三界は皆仏国な り、仏国其れ衰へんや。十方は悉く宝土なり、宝土何ぞ壊れんや (御書250)
と仰せです。即ち、正法を守り弘めていくことによって飢えや戦争をなくし、安穏な国土を実現できるのであります。この仏法と国家の関係を体と影に譬えることができます。日蓮大聖人は『諸経と法華経と難易の事』に
仏法は体のごとし、世間はかげのごとし。体曲がれば影なゝめなり (御書1469)
と仰せです。
このように、体に譬えられる正しい仏法が弘まってこそ、影に譬えられる世の中の幸福が実現されるのであります。人々は、誰しもが幸福を願っています。しかし、本当の幸福を得るためには、日蓮正宗の正しい宗教に依らなければならないことを知りません。それを教えるのが折伏です。折伏をして、正法流布を待っている人々を救っていきましょう。
世の人々が、正しい仏法を知るために縁(関わり合い、機会)が必要です。皆様方も、日蓮正宗を知ったのは、誰かと縁があり教えられたからだと思います。それは、親であったり、友人であったり、場合によっては、たまたま手にした本であったかも知れません。入信した動機は異なっても何かに縁をして日蓮正宗に入信したと思います。
私達が、折伏を推進するためには、そうした縁に気づき生かしていく必要があります。会社の同僚、友人、知人、縁は至る所にあります。バスで知り合った人を折伏したという例もあります。そもそも親子の関係も縁です。『寂日房御書』に
父母となり其の子となるも必ず宿習なり (御書1393)
とあります。宿習とは、過去世よりの積み重ねられた因縁のことです。
親子関係のように、こうして私達が出会っているのも過去世よりの因縁によるものです。それと同時に、今の私達の行為によって新たな縁を作っているとも言えます。
正法の縁も同じです。私達が折伏をすることによって、多くの人に正法の縁を付けさせることができます。そして、親が子供を産み、その子供が親となって子供を産むように、一つの縁が次の縁を結んでいきます。したがって、折伏をしたならば、入信させるだけでなく育成し、その人が次の人を折伏させるようにしていきましょう。このようにして多くの人々を日蓮正宗に入信させ、自分も他人も、ともに正法によって幸福になっていくようにいたしましょう。
日蓮大聖人は『法華初心成仏抄』に
とてもかくても法華経を強いて説き聞かすべし。信ぜん人は仏になるべし、謗ぜん者 は毒鼓の縁となって仏になるべきなり (御書1316)
と仰せです。これは『法華文句』に示す「而強毒之」と同意です。「而強毒之」とは、法華経を聞くことを好まない者に対して強いて説いて、瞋恚等の毒心を起こさせることです。しかしながら、それが縁となって、やがて正法に帰依することになるのであります。
法華経『常不軽菩薩品第二十』に、常不軽菩薩は、人々に仏性があるので 我深く汝等を敬う。敢えて軽慢せず。所以は何ん。汝等皆菩薩の道を行じて、 当に作仏することを得べし (開結500)
と唱え但行礼拝したとあります。ところが礼拝された人々は、気持ち悪がって、杖で叩いたり石を投げたりしました。すると、不軽菩薩は、その場を避けて逃げ、引き続き遠 くから先の言葉を唱え但行礼拝いたしました。不軽菩薩に難を加えた人々は、このことによって地獄に堕ちましたが、不軽菩薩に縁をしたことによって、後の世に法華経と出会い信解し得脱したと説かれています。
日蓮大聖人は『聖人知三世事』に
日蓮は是法華経の行者なり。不軽の跡を紹継するの故に (御書748)
と仰せになっています。この意味は、人々が、たとえ謗っても不軽菩薩のごとく忍び行じて縁を結ばせ、そのことによって人々を救うことを述べられたものです。
また涅槃経に「毒鼓の縁」の話があります。これは、毒を塗った太鼓を打つと、これを聞いた人々が、たとえ好んで聞いたわけでなくとも死んでしまうという話です。それと同じように正法を弘めていくと、それを聞いた人が信じようが謗ろうが縁となって、謗る人も後に必ず正法に帰依する時が来て、煩悩・業・苦の三道を法身・般若・解脱の三徳と転ずる境涯になるということです。
日蓮大聖人は『当体義抄』に
正直に方便を捨て但法華経を信じ、南無妙法蓮華経と唱ふる人は、煩悩・業・苦の 三道、法身・般若・解脱の三徳と転じて、三観・三諦一心に顕はれ、其の人の所住 の処は常寂光土なり (御書694)
と説かれています。
本年の私達の活動ポイントは、折伏と登山です。折伏をして素直に入信する人は勿論のこと、直ちに入信しなくとも逆縁を結んで多くの人を日蓮正宗に入信させましょう。 今の世の中の人を救うのは、日蓮大聖人の三大秘法しかありません。
『法華取要抄』に、
我が門弟は順縁、日本国は逆縁なり (御書736)
とあります。日蓮大聖人は、日本に於いて折伏を受けて信ずる人が順縁、入信しない人が逆縁と仰せです。同じように世界に於いても折伏を受けて信ずる人は順縁、入信しない人は逆縁です。逆縁であっても、縁を結んだのですから、必ず将来において入信する時が来るのであります。
さらに『教行証御書』に
濁悪たる当世の逆謗の二人に、初めて本門の肝心寿量品の南無妙法蓮華経を以て下種 と為す (御書1104)
とあります。このように、本門文底の南無妙法蓮華経のみが末法の衆生を救う種となるのであります。草木は種から大きくなります。それと同じように、種の妙法蓮華経がなければ草木という人々の成仏もありません。その種を信心活動によって育成していくことが大切です。折伏・育成に励むことによって、この世の中から飢え・疫病・戦争をなくしていきましょう。一人一人が、生まれてきて良かったと思える世の中にしていきましょう。
そして、折伏・育成した人を私達の根本道場・総本山大石寺に参詣させるように努めていきましょう。本年、日本国内では、折伏した人を入信三ヶ月以内に登山させるべく育成をしています。海外では、日本よりも登山をすることが困難ですが、折伏した人を一日でも早く総本山大石寺に参詣できるようにしていきましょう。
そして、皆様方には、当寺院にも参詣して功徳を積み、さらに折伏に励んで順逆二縁の人々をともに救っていきましょう。